こんにちは、夢子です。
毎回のように起こる高齢者による転倒事故。
骨折したり重大事故報告書として、上がることもある転倒事故。
実際昨日もわたしの職場の利用者が、転倒事故で事故報告書が上がっています。
わたしは介護施設のケアマネージャーとして何度もの、何種類もの、転倒事故を見てきました。
毎日毎日見守りが足りん!でも頑張れよ!と、上からの叱咤激励。
わたしは考える。
一体どうしましたら転倒・転落事故を防げるのかと。
そう考えた時にどのようなことが原因で転倒転落しますのか。
本当に見守りだけで防げるのか。
わたしの知る限り、まとめてみました。
高齢者【転倒事故】まとめ
わたしが知っていますことと、他事業所での転倒事故原因をまとめてみました。
転倒事故だけでもかなり多くあるのだと実感します。
夜間、覚醒してトイレに行こうとしての転倒
高齢者は眠りから覚醒して、トイレに行こうとして、ベッドからトイレの導線上にて転倒が多いです。
夜間の転倒の1位2位を争うぐらい、トイレに行こうとしての転倒事故は多いかもしれません。
夜間、覚醒してのトイレ内での転倒
上のものとあえて分けました。
トイレ内での排泄は日中は自分でできていますが、夜間覚醒で意識がもうろうとし、トイレで用は足せるがその後にズボンを上げようとして力尽きて転倒する。
意外と利用者はプライド高い方が多く、ナースコールを押して下さいと言っても聞き入れてくれない場合が多いです。
夜間、ベッドから降りようとしてのずり落ち
これも非常に多いです。
利用者の多くは自分ができると過信してナースコールを押さずに、自力で行こうとして、結局は転落、ずり落ちしてしまうケースが後を絶たないです。
歩行障害のある高齢者の転倒
高齢者は足を高く上げながら歩行しますことが困難な方もいます。
その中で、すくみ足や小刻み歩行、突進歩行などが多いです。
(パーキンソン症状からくる場合が殆ど)
- すくみ足:最初の1歩が出なく転ぶ。
- 小刻み歩行:ちょこちょこすたすたと小刻みに歩く。
- 突進歩行:目標が定まるとそれ向かって突き進む。
突進歩行は前のめりになって転倒しますケースがほとんど。
ほんのちょっとの段差からの転倒
毎日元気で暮らしています高齢の方でも、たった5㎜の段差があったら転倒のリスクがあります。
それ以下でももちろんありますが、その段差をいかに消して、ライフラインを整えることが重要であります。
他の高齢者(入居者)とのトラブルで転倒
徘徊しています高齢者は非常に転倒のリスクがあります。
転倒以外にも他の事故のリスクが非常に高いです。
なぜなら、常に歩いており何かにつまずいての転倒も考えられますが、基本的には誰かに押されたとか、口論して突き飛ばされての転倒事故が多いです。
認知症からくる歩行障害
認知症にはいくつかの種類があります。
その中でも下記に挙げた3種のものだけで、全体の8割以上の割合を持つ認知症を例に挙げてみました。
アルツハイマー型認知症
最も多い認知症で特に女性に多いです。
最初の症状は軽くても2年3年5年かけて進行します。
進行が急激に進んだ場合極端な変化が顕著に現れます。
その際にふらついたり、注意力散漫になって転倒してしまう可能性が十二分にあります。
脳血管型認知症
男性に多く脳血管型の場合は、脳梗塞や脳出血、脳塞栓からくる片麻痺や、半身麻痺、四肢麻痺などがあります。
下半身がしっかりしていなく過信してしまう高齢者は、転倒のリスクが非常に多いです。
自分でできると思い込んでしまい介助されるのを待っていればいいのに、自分で動いてしまい転倒してしまいます。
レビー小体型認知症
レビー小体型はパーキンソン病と同じような症状が出ることが多いです。
認知症として知られていますが、認知症全体の1割程度と少なく、脳のMRIやCTを撮らないですとわからない認知症の1つ。
幻聴や幻覚も多いです。
わたしが見てきた中では、突進歩行と小刻み歩行が見られた高齢者が転倒していたのを見たことがあります。
介護職もびっくり!?突進歩行
突進歩行の時はびっくりしました。
「ふははははは!」と笑いながら、わたしのほうに突進してきて、怖くてよけたら後ろにいた利用者に衝突してしまい2人で転倒という、大惨事を招いてしまったことがあります。
注意が必要です。
薬による副作用の転倒
高齢者の実に8割9割以上の方が薬を服用しています。
わたしの事業所の入居者は朝昼夕、眠前薬関係ないですのであれば、全員服用しています。
例えば朝のみとか。その薬の副作用(眠気など)で、歩きだしたときに転倒とか。
あと、なぜかわからないですが高齢者は下剤を好む方が多いです。
毎日排便が無いと不穏になってしまう利用者は意外と多くいます。
実際にあったこと
うちの事業所であったことだが、心身の状態が悪く、
膝の状態も悪いので夜眠れないですという入居者がいました。
眠前薬(睡眠導入剤)を主治医の指示で与薬して眠ってもらい、
深夜に覚醒。トイレまでは行けましたが力尽きて転倒。
定説です(20年以上前に流行った言葉w)
上で話しましたことは、定説と言っていいのではないかと思うくらいの転倒。
転倒しました本人曰く、意識がもうろうとしていたが、トイレが我慢できなかった、とのこと。気持ちはわかるんだが、ナースコール押してくれと言いたい。
結局は救急車対応
結局失禁してしまい、ひざは骨折、救急車対応で総合病院に入院。
夜間の覚醒と薬の服用が絡む転倒事故は、ほぼ定説に近い、当たり前の出来事となってきています。
職員の見守り不足からの転倒
何が何でも見守りという職員がいます。
もしかしましたらわたしもその一人に入ってしまうかもしれません。
朝の申し送りでも、見守りして様子観察をお願いします。
や、ケアプランでも、見守りして対応してまいります、という定説と思わせる、当たり前な文言。
確かに見守りは大事ですが正直、見守りだけではまかなえないです。
車椅子から立ち上がり転倒
職員の見守りがなってないですと言われたらそれまでですが、基本立って歩いてしまう人は歩けるというか歩きたいんだと思います。
昨日一昨日と、うるさかったですよぉぉ~~ww
介護職の人員不足による転倒
これは転倒転落他、すべての根源でしょう、きっと。
介護職員の数はこれからの社会、わたしらが高齢者になるころまで続くと言われる介護需要。
その需要と供給のバランスが崩れてきて来ています。
何が言いたいかというと、介護施設数に対して職員の数が絶対数足らないからです。
職員が少ないですがために、起こりえる事故の中に転倒は含まれます。
職員の介助中での転倒
介護職は介護の何かしらの資格をもって働いている方が多いです。
しかしどんな技術を持っていても、入居者の「重さ」にはかなわないですものがあります。
体格のいい男性利用者を介助する
例えば、わたしみたいな90kg近い大男を、女性介護職が一人で介助をスムーズに行えるかと言ったらほぼ無理に近いと思います。
男だって腰を抜かす人もいるくらい大変なのです。
そして転倒へ発展します
結局人手が足りなかったり、夜間は1人で対応を強いられる現場。
対応中に職員と入居者2人で共倒れなんてことはよく聞きます話であります。
そうならないですためにも、基本的には職員2人で介助を行うなどの対策は必須であります。
履物の種類が原因での転倒
例えばスリッパをはいています高齢者が滑って転倒、という話もまれに聞きます。
履物にも介護用品がありますので、検討してみるのもいいでしょう。
床が濡れていたために転倒
介護施設職員の仕事、業務の中に清掃があります。
床掃除を濡れモップで拭いた際に水が多いと、床が乾かずに滑って転倒してしまう事例もよく聞きます。
これは職員のミスになりますので注意が必要です。
また、廊下や入居者の居室はあまりきれいでないのが現状です。
事実の話ですが、廊下で放尿放便なんて当たり前のようにあるのが介護施設。
だからという訳ではないですが掃除は必須業務なので、モップ掛けの際は入居者の行動にも気を付けて行う必要があります。
不可解な行動言動をしたために転倒
本人には見えている何かを追ってテーブルにぶつかって転倒や、何かが聞こえるのでその方に行っている途中に誰かとぶつかって転倒など、認知症高齢者によくみられる行動で転倒することが実際にあります。
壁に向かって歩き出し「あああ、○○ちゃんがここにいます!!」
と、壁の中に誰かいたのかと思わせるくらい何かが見えているらしいです。
転落事故についてまとめてみました
転落と言っても介護でいう転落とは、ベッドから落ちた。
や、車椅子から落ちたという意味です。
トランスがうまくいかなく職員が絡んでくる事故もあります。
医療介護現場で言うところの「トランスファー」とは、車椅子からベッドなど、さまざまなものへ自ら、または、介助によって乗り移る動作のことで、寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行などのADL(日常生活活動)動作のなかで「移乗動作」に分類されます。
ベッドや車いすからの移乗時に転落
転落事故の中でおそらく多いほうに分類される、ベッドから車椅子、車椅子からベッドへの移乗時。
移乗の際に移乗介助中に起こる人的ミスがあったりしますが、基本的には利用者が単独での事故が多いです。
夜間に多い転落事故
夜間に多い理由として先に転倒のところで挙げた中途覚醒による、自分でトイレに行こうとしての自らのトランスミス。
ナースコールを押してねとお願いしてもわかってくれる方もいれば、そうでもないです方もいます。
浴槽からの移乗時に浴槽から転落
入浴の事故はほかにもありますが、ここでは転落事故という事で。
浴槽からのトランス時に転落してしまう人的ミスが絡んだり、入浴用のチェアーからずり落ちるように転落してしまう方もいます。
入浴介助時には細心の注意を払わなければならないです。
フットレストに足を置いての転落と転倒
基本的に車椅子を使用している方はフットレストに足を置いて移動し、目的地に着いても場合によっては足を乗せたままにします。
だが、それを無視して立ち上がろうとするのが高齢の利用者。
車椅子ごと倒れたことが1度だけあって、その入居者は顔面にあざのようなものを作ってしまわれましました。
転倒・転落事故まとめ
認知症の高齢者は個人個人でタイプも違ければ状態も違います。
また転倒や転落事故は高齢者だけではなく、その方を取り巻く環境が大きく左右してくるとわたしは思います。
利用者、入居者に対して接遇の問題やコミュニケーションの問題など、たくさんある中で何を重点的に考えるかを事業所内で決めていければ理想。
転倒事故、気を付けていきます。